都道府県と市町村の教育委員会間が連携して教育の情報化を推進している例はありませんか。
奈良県の例として、「県域で考える」との考え方で、情報端末やネットワークの設備を県で共同購入する仕組みを構築し、費用負担軽減につなげました。導入の検討や導入後の設定などを県で一括してルールを決めることで、事務効率の向上、市町村の負担軽減の効果をもたらしました。
GIGA スクールサポーター、ICT 支援員などのICT 人材がなかなか見つからないです。
どのように見つければ良いでしょうか。
他自治体のICT 人材確保への取り組みとして、以下が挙げられます。
個別具体的な事業者をご紹介することはできかねますが、ICT 人材の確保の支援として、ICT 活用教育アドバイザー事務局のHP 内に、ICT 人材の紹介・派遣を取り扱っている事業者をまとめて掲載しております。
URL:https://www.oetc.jp/ict/partner/
なお、ICT 活用教育アドバイザー事業を活用して専門的な知見を持っているアドバイザーをご紹介することは可能です。
教育委員会にICT に詳しい人がおらず困っています。どうしたら良いでしょう。
教育委員会以外の人材も活用してはいかがでしょうか。その人材を探すには、
といった方法があります。
学校教育情報化推進計画はどのような内容から構成したら良いでしょうか
「学校教育の情報化の推進に関する法律」(令和元年6 月施行)では、文部科学大臣が以下の事項を学校教育情報化推進計画として定めるとしています。
ア 学校教育の情報化の推進に関する基本的な方針
イ 学校教育情報化推進計画の期間
ウ 学校教育情報化推進計画の目標
エ 学校教育の情報化の推進に関する施策に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策
オ ア~オに掲げるもののほか、学校教育の情報化の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項。
これに基づいて都道府県の計画を策定し、市町村は都道府県が策定したものがある場合はそれを基本として策定します。令和3 年3 月現在、文部科学大臣が定めたものは公表されていませんが、各自治体ですでに公表されたものがありますので、それらを参考に構成されるとよいでしょう。
ICT 活用の目標値の設定はどのようにしたら良いでしょうか。
児童生徒あるいは教員の活用頻度(週に◯日、1 日のうち◯時間)、活用割合(◯割の教員が活用)などが指標になり得ると考えられます。指標設定の根拠としては、整備した環境がどのように活用されることを教育委員会として想定しているのかといった目標ベースの側面と、現状の活用状況からの向上を意図する改善ベースの側面があります。なお、活用が進まない場合に数値目標だけを設定しても、問題の解決にならない場合があります。ネットワークの帯域不足で十分に端末を稼働させられない、研修の不足、児童生徒がICT を活用する際のルールの未整備など、問題状況を適切に把握し、対策を講じることを教育委員会の責務として示した上で、適切な目標を掲げ、学校現場との合意形成を図っていくことが重要です。
ICT の活用を各学校に促すために、どのような取り組みを行えば良いでしょうか。
従来、ICT の活用は教師がその意図を明確に持ち、効果的な場面で適切に活用することが重要とされてきました。1人1台の環境では、児童生徒が日常的に活用していく中でリテラシーを高めるところからはじめます。授業で児童生徒に使わせる際、教師も児童生徒も不安なく使える状況をつくることで、「効果的な場面」の幅は大きく広がります。文部科学省のWeb サイト「StuDX Style」には、朝の健康観察、家庭学習カードなど、授業時間以外の活用事例が豊富に紹介されています。こうした日常的な活用事例を個々の教員ではなく、学校の取り組みとしてはじめることで、授業での活用への不安感を軽減します。なお、日常の活用には端末の持ち帰りや、学校と家庭の連絡なども含まれます。これらは端末やアカウントの運用、個人情報の取り扱いなど、セキュリティやプライバシーに関する判断が求められます。児童生徒1人1台、1人1アカウントを安全・安心な環境で各学校が創意工夫できるよう、教育委員会は基本的な運用ポリシーを学校に周知することが重要です。
目的を達成しつつも、限られた財源の範囲内におさめられるように、仕様書を策定するときの勘所を教えてください。
費用を抑えるためには、仕様書における端末の初期設定の要件をできる限りシンプルにすることが大事です。
教育委員会内にICT に詳しい人材がいないため仕様書の策定が困難です。どうしたら良いでしょう。
クラウド環境におけるウイルス対策はどのように行えばよろしいでしょうか。ウイルス対策ソフトが別途必要でしょうか。
Apple
厳格な検査基準のあるApp Store を介してではないと、アプリケーションを導入、インストールできない仕組みになっております。それにより、ユーザー側もウイルス、マルウエア、不正な攻撃などを過度に心配することなくiPad 上でこれらのアプリケーションに安心してアクセスいただけるようになっておりますよって、ウイルス対策ソフトを導入していただく必要はございません。
Google
Google Workspace for Education 及びChromebook ではウイルス対策ソフトを追加でインストールする必要がなく、ウイルスなどの不正プログラムへの対策が標準機能に備わっています。児童・生徒がインターネット上のWeb サイトを利用している際に、誤って不正プログラムを保存したりすることがないように最初にご紹介したセーフブラウジングなどの設定の他に、Google ドライブへのファイル保存やGmail で送受信される添付ファイルは自動的にスキャンが行われます。
これによって、不正なファイルの保存やダウンロードができないようになっています。
Microsoft
Windows OS に標準で搭載されておりますWindows Defender を設定することで既知のウイルス、既知のマルウェアからOS 保護が可能となっております。Windows Defender 自体は既定で有効となっておりますので、本来であれば設定する必要はないのですが、児童生徒が誤って無効化しないように、MDM で設定しておくことをお勧め致します。
子供たちが、ID・パスワードを管理するために、どのような工夫ができるのでしょうか。
※低学年を配慮してID 等には英文字を多く含まないように工夫する必要があります。
わからなくなったときに備え
子供たちが有害サイトにアクセスできないような設定をどのように行えば良いでしょうか。
フィルタリングについては各OS、MDM を利用して以下対応が可能です。
Apple
Safari とアプリケーション内ブラウザでアクセス可能な通信先について教育用MDM(7 社すべて)を利用てブラックリスト・ホワイトリストの設定が可能
Google
理コンソールよりChrome ブラウザのブラックリスト、ホワイトリストの設定が可能
Microsoft
Edge を利用する際のブラックリスト・ホワイトリストの設定をMDM(Intune)を通して可能
上記はあくまでブラックリスト・ホワイトリストの管理を教育委員会が行う前提であるため、カテゴリフィルタリング等より細かい設定をするためには別途有償のフィルタリングソフトを購入いただくか、校内LAN 経由でネットワークに接続する前提であればFirewall 等のネットワーク機器で行うことも想定されます。
ネット上のトラブルや健康上の注意事項など、先生や保護者の不安にどのように応えていけばいいですか。
先生や保護者の下記の不安に対して、代表的な注意事項を挙げておきます。
(ネット上のトラブル)
令和3 年3 月12 日付の事務連絡にて、ICTの活用に当たっての児童生徒の健康への配慮や1人1台端末環境の本格運用に向けて保護者等との事前確認を記載しております。併せて、共通理解を図るためのパンフレットやリーフレットを作成している先行自治体の取組を紹介しておりますので、ご参照ください。
ICT の活用に不安や苦手意識を持っている先生に対しては、どのような配慮をしたら良いでしょうか。
校内研修の時間を確保することが困難です。何か良い工夫はありませんか。
オンラインで研修を行う場合のポイントを教えてください。
一方向の授業にならないように、心掛けるべきことは何でしょうか。
遠隔教育やオンライン教育では、Web 会議システムや収録されたビデオが再生されるオンデマンド教材が活用されることから、見かけ上テレビと同じように見えるため、一方向で授業が進行するイメージがもたれることがあります。しかし、効果を上げている事例では、先生と児童生徒間のやり取りや、児童生徒同士のやり取りが多く行われています。まず、大切なことは、決して一方向のものではなく、双方向になるように工夫することが大切だと、参加者が意識することです。
たとえば、先生からの課題の説明の後は、1 人1 台の端末を利用して、オンラインでのグループを構成して、グループワークを行うことが考えられます。その結果は各グループから全体に発表します。
また、クラウドを利用した同時共同編集ツールなどを活用して、互いの考えを入力して、共有したり、児童生徒の書き込みに対して先生がコメントを加えるなど、画面上での双方向のやり取りと組み合わせることも効果的です。
遠隔・オンライン教育は、GIGA スクールで用意された環境でできるのでしょうか。
遠隔授業を行うにあたって参考となる資料や注意事項等を知る方法を教えてください。
GIGA スクール構想により整備された環境の特徴は、学習者1 人に1 台の情報端末を占有できること、ネットワークを介してクラウドを利用できることです。情報端末にはカメラ、マイク、スピーカが内蔵されています。イヤホンやヘッドセットを接続して使うことも可能です。なにより、ネットワークと接続されているわけですから、遠隔・オンライン教育はすぐに実施できます。個人や少ない人数同士で接続する場合には、それ以上の機器を用意する必要はありませんが、教室と教室を接続した遠隔交流学習や遠隔合同学習を実施する場合には、情報端末のカメラとマイクでは、不十分なことがあります。教室全体をカメラで写すためには、ワイドな外部カメラを接続する必要がありますし、マイクから離れた席に発言をクリアに相手先に届けることには限界があります。そのような場合には、集音マイクを接続して使うといいでしょう。また、遠隔・オンライン教育の質を向上させるクラウドを利用した同時共同編集ツールなどを活用するためにもGIGA スクール環境は適しています。
遠隔授業を行うにあたって参考となる資料や注意事項等を知る方法を教えてください。
遠隔授業を行うにあたって参考となる資料や注意事項等は、文部科学省のWeb サイトやyoutube の文部科学省チャンネルに数多く紹介されています。
人口減少社会におけるICT の活用による教育の質の維持向上に係る実証事業
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1364592.htm
遠隔教育システム導入実証研究事業
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1404422.htm
令和元年度全国遠隔教育フォーラム(遠隔教育システム導入実証研究事業成果報告会)
https://www.youtube.com/watch?v=yukSJc38rxQ
文部科学省/mextchannel 【遠隔教育で検索】
https://www.youtube.com/channel/UCL2DLwqqYxa0Q5DcGoQGbrw